ゆうゆう素敵に暮らすヒントをお届けする、くつろぎ空間クリエイターの伊藤寛子です。
「窓をあけ~れば~、港が見える~」って淡谷のり子さんが歌っていましたけど(古いね)窓からの景色は家の価値を決定する大きな要素ではないかと思っています。
窓を開けたらすぐに隣の家の窓、壁、塀・・・とならないように設計されていればいいのですが、密集地ではそうもいかないところも多々あります。
私は以前「渡辺篤史の建物探訪」が大好きでずっと観ていましたが、いつも渡辺さんは窓からの景色について語っていました。何が見えるか?は室内を考えることと同じくらい大事なことだと私も思います。例え敷地が狭くても、豊かな空間は生まれます。
先日、訪ねた整理収納アドバイザーHさんのお宅。始めは3階建てを考えていたそうですが、動線を考えて2階建てに。三月中旬に行きました。すると窓からこんな景色が。真四角な左側の窓の外に紫モクレンが。この写真には写っていないですがその隣には白モクレン。紅白咲き誇っていました。カーテンもシンプルな不織布で、狭小地に建つ狭小住宅なのに、贅沢な景色でした。
さて、我が家は前回にも書いたように、窓から公園の桜が眺められます。というか、眺められるように窓を作りました。はめ殺しの窓は額縁になっているのです。
今はいろいろなデザインの窓があるから、開けられるタイプにしておけばよかったと後悔もあるけれど、まるで日本画を観ているようなこの窓が大好きです。
もう一つ、桜だけを眺めるために作った窓があります。幅30㎝くらいの小さな窓なんですよ。椅子に座って目線を上にすると、そこに桜の絵があるようにしました。
窓は通風、採光のためだけでなく、そこから何が見えるかを考えて付ける。どんなふうに見たいかを考えて形を決める。
今、また家を建てられたら、もっともっと形を工夫して選びたいものです。普通の引き違いの窓はつまらない。小さいけれど四角い窓が並んでいるとか、横に長い窓とか、丸窓とか・・・いろいろ付けてみたいものです。
家が建て込んでいて窓からは隣家しか見えない、なんていうときは天窓も付けることもできるし。あんな窓、こんな窓も・・・あれ?私、窓メーカーの回し者みたいですね。
これから家を建てる方、家を選ぶ方、窓にはこだわってほしいです。ちょっとお金がかかっても、価値はありますよ。